帰国子女とは

投稿者: | 2018年4月17日

こんにちは、你好!大家好!Hi Everyone ! 臨床心理士の初田美紀子です。
今回は、「帰国子女」の定義、そして本音をお伝えします。

帰国子女って、どういう意味?

まずは、文科省の学校基本調査での定義をご紹介します。
・海外勤務者等の子女で、引き続き1年を超える期間海外に在留し帰国した児童生徒(小中高生)。適応が比較的容易な幼稚園生や大学生は対象としていません。

元来「帰国子女」は「やむをえない事情で海外に滞在した結果、帰国後の生活・教育への適応に困難があり配慮を要する者」という観点で用いられたため、留学生や帰国時学齢期にない者は想定外でした。そして、海外生活の滞在年数も不確定で曖昧なままです。また、この言葉は日本語特有な言葉であり、日本を出発する前から日本に帰国することが前提として決まっていることが語彙の意味に含まれています。つまり、必ず日本に戻ってくるという前提があるのです。

日本の国際的諸活動の進展に伴い、現在は多くの日本人がその子どもを海外に帯同しています。平成27年4月15日現在、約7.8万人の義務教育段階の日本人の子どもが海外で生活しています。そして、毎年1万2000人の子どもたちが海外生活を終えて、親と一緒に日本に帰国してくるのです。日本には、多くの海外生活体験をした子どもたちが存在していることになります。

日本における帰国子女の待遇

さて、日本の学校現場において、こうした子どもたちに、特別な日本語教育を施される配慮があるのでしょうか?皆さんは、聞いたことがありますか?

わたし自身は40年前の帰国子女ですが、日本の学校で特別に日本語取りだし教育をしてもらったことも、また必要性を学校側から尋ねられたこともありませんでした。(現在でもないのが現状ではないでしょうか?)

実は、平成30年度における幼稚園の新しい指導要領に、ようやく「日本語の習得に困難のある児童生徒」に対する日本語教育の配慮がなされるのです。今後、小中学校も順次改訂されていきますが、逆に言えば、これまでの帰国子女は自らの海外生活の中で日本語をマスターして帰国しなければならなかったことになります。

帰国子女=海を越えて日本語を頑張って習得している子どもたち

わたしには、3歳年上の兄がいますが、NYの部屋で壁に貼ったアメリカ地図の州を覚えながら、その同じ日には、日本地図にある県の名前と場所をクイズ形式で覚えたのをよく覚えています。福島県が九州にあったり、愛媛県が東北にあるような気がしたりて大混乱しながら覚えていきます(笑)。アメリカの州名は現地校のテストに出るため学習の優先順位がどうしても高くなるのですが、日本の県庁所在地を覚えることは、否応なく後回しにしてしまうのですよね(*^_^*)。大人になっても県名が苦手な帰国子女も多いのではないしょうか???

また、帰国子女は自然と英語が話せるわけでもありません。
これも日本語の習得と同様です。英語や他の言語も、その国(現地)に行ったから自動的に習得できるわけでもないのです。バイリンガルになるには、それなりの時間をかけて、机の上での学習がなければ、アルファベットを理解したり、英語のフレーズに長けて自由に扱えるわけでもありません。並々ならぬ努力が裏には潜んでいます。

ちょうど、自転車に乗ることと同じですね。乗る練習をしない限り、ペダルを漕ぐことはできず、自然と乗りこなすことは出来ない自転車の習得と同じような気がします。

 このように、子どもにもかかわらず、たくさんの時間と労力を惜しまず現地での生活を精一杯過ごし、多くは日本に帰国してくる帰国子女ですが、アイデンティティー構築には更なる難題が振りかけるのも現実です。これはTCKアイデンティティー構築でお話しますね。

帰国子女の皆さん、是非ご自身の苦労を褒めてあげてください。とても立派だったね!と。そして、ご両親の皆さんはお子さんをやはりたくさん、たくさん褒めてあげてください。自分たちのために、海を越えて付いてきてくれているのですから!!

 

参考文献:幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/06/16/1384662_2.pdf