TCK(Third Culture Kids)とは

投稿者: | 2018年3月13日

こんにちは、你好!大家好!Hi Everyone! 臨床心理士の初田美紀子です。

今回は、TCKについて詳しく説明したいと思います。

TCK(Third Culture Kids)とは、

「発達段階のかなりの年数を両親の属する文化圏の外で過ごした子どものこと」

と定義されています。わたし自身も、この定義をさまざまな場所や紙面で引用させていただいていますが、実際にところ、“だから、何?”とか、“外国で育つんだから、そんなの当たり前だよ”という反応も多いのも事実です。

そこで、この定義は具体的に何を意味しているのかを、先ずは、そのアウトラインを大きく3つの特徴でお伝えします。

【TCKアウトラインBig 3】

  1. TCKの世界=”ないない”の世界
  2. 成長のいずれかの時点(世界)で違和感を抱えている
  3. 「そこの角を曲がれば、わたしの求めているものがある!」と信じている

No 1. TCKの世界=ないないの世界

TCKが生きている世界は、実は「ないない」ことばかりです。

  • 海外生活中のTCKにとっては、その世界は両親が有している文化圏の世界ではない。
  • そして、海外にいるTCKの生活は、現地の人の生活そのものではない
  • 移り行くTCKは、自らもその本質を深く考えることがなく、生活していくことを覚える。
  • 「国に帰る」という言葉の語彙ですら、両親が解釈している意味とは同じではない
  • TCKは、自分の生い立ちの説明を簡潔にすむよう、事実に忠実には説明しない

このように、“ないない”づくし、、、、。これが、「TCK」なのです。

No 2. 成長のいずれかの時点(世界)で違和感を抱えている

このように、“~~でもない、××でもない”と、ないない世界を漂っていると、本当の自分が分からないだけではなく、本当の自分に気づく暇さえ与えてもらわないことがあります。周りの環境はどんどん変化していく一方で、自分はずっとそれに合わせて、生きてきたのです。自分は、ただただ、一生懸命やってきた!というのがTCKの日常でしょう。

そのTCKが、いつの時点か、人によっても様々ではありますが、
「なにか違う!」

「お父さんと、お母さんが喜んでいるけど、わたし(ぼく)は嬉しくない」
と気づくことがあります。

例えば、日本に8年ぶりに帰国するマナちゃん。今年で12歳。特にお母さんは中国の生活から、日本の生活に戻ることを大喜びしている。マナちゃんも日本語に不自由していないので、言葉の心配はありません。でも、日本は毎年、夏休みと春節におばあちゃんに会いに行くところ。「帰る」という言葉の意味をあまり深く考えたことがありませんでした。「本帰国」とお母さんはよく口にするようになって、「帰国」という言葉をイメージしてみました。やっぱり、しっくりこないですね。マナちゃんは、思いました。

「わたしは、日本に行く!んだ

No 3. TCKの願望「そこの角を曲がれば、わたしの求めているものがある!」

 こうして、TCKの世界はますます変化する波に押し流されていきます。前へ、前へ、と怒涛のように変化する生活に慣れているTCKは、自然と素敵な未来を想像するようになるのです。

わたし自身も、大好きだった街、Hartsdale, New York のあの通りの横断歩道を渡れば、素敵な出来事が待っている!と、胸を奥底に隠したファンタジーがありました。(いまでもあるかもしれません笑)

自分は何を探しているのだろう。
どこをゴールとしているのか。

現実の生活に間違いなく違和感があることは理解しているのですが、先がどうなるのか、冷やかに観察している自分がいながら、ワクワクする忘れられない感覚があるのです。

それは何だろう?
大人になっても、胸の内に収めています。

TCKとは、多様性に満ちた人生。これは共通ですね。TCKについて、もっと深く理解できるように、理解されるように、このBlogでお伝えしていきます。

参考文献:
『サードカルチャーキッズ』多文化の間で生きる子どもたち/  デビット・Cポロック他 著